発行日:2015年8月1日
タイトル:いのち、光るとき
分野:自分史&詩集
著者:本間りえ
仕様:四六判 128ページ
定価:1200円+税
著者プロフィール
神奈川県横浜市出身。長男のALDの発症を機に難病患者の介護生活と向き合う。医療関係の講演など全国を飛び回っている。A-Fiture(ALDの未来を考える会)代表。
内容紹介
6歳まで元気に走り回っていた我が子に、ある日異変が起こった。異常な行動をとりはじめた原因は、ALDという耳慣れない稀少難病だった。
男性しか発症しないという遺伝子の疾患で、しかもその原因は母親の持っている遺伝子にあるという。医師からは発症から2年以内で亡くなることがほとんどだと聞かされた母は、まさに地獄の底へ突き落とされた。
深い悲しみと絶望の中で、我が子を抱きかかえ、途方に暮れる日々を送るしかなかった。そんなある日、心労が重なった母は自動車事故に遭ってしまい……。
絶望の淵から20年、難病の我が子と家族の絆を詠んだ50篇の詩は、読む者のこころに大きな勇気をもたらすことだろう。
〈砂の味〉
我が子が「命」と向き合っている時に
どうして私はお腹がすいたなんておもうのだろう
たとえ生理現象であっても
自分が世の中で一番汚く
ダメな母親だとおもえる
すべてのたべものは
砂の味
〈竹〉
夫が言った
君は花が本当に好きだね
君を花に例えるなら
竹だな
竹の花は本当に僅かな時間だけ咲く
竹はまっすぐにのびて
青々として美しい
でも
ほんの少し切れ目をいれただけで折れてしまう
本当の君は
いつも強がっているけど
優しくて
壊れやすい
だからすごく心配だ
(本文より)
関連サイト:http://ald-family.com/