漫画家の水木しげるさんが11月30日に他界され、ご自身の戦争体験や差別問題を描いた多数のマンガがAmazonで1位になったり、品切れ状態と なっていますね。戦後70年の今年に、妖怪漫画ではない水木作品が改めて注目され、陽の目に当たることになったのも何かのメッセージかもしれません。
そうした中、昨日は慶応丸の内シティキャンパスにて「戦後70年、学生と戦争を考える」と題し、3人の方から学徒出陣の体験談を伺うイベントに参加しました。内2名は特攻兵としての訓練を受けている最中に終戦を迎えたということでした。
印象的だった言葉を紹介します。
「戦争は100人いれば100通りの体験談がある。だから一人の話を聞いて、戦争はこうだと決めつけてはいけない」
「ニュースなどで様々な事件を見ていると、いまの日本人はひどすぎる。本当の日本人の姿を取り戻して欲しい」
「自分の考えが正しいと思っているのは間違い。そういう思い込みがある限り戦争はなくならない。人間は悲しい存在だ」
「自分史」に取り組む一人として、90年以上生き抜いてきた方々のこうした言葉を受け止め、たとえ微力であっても、次の世代に語り継いでいく役割を果たしていきたいと思います。
写真は「三角兵舎」(復元)と呼ばれるもので、11月に鹿児島の知覧特攻記念館を訪れた際に撮影したものです。全国各地から集まった二十歳前後の若者たち が、特攻前夜にこの宿舎で親への遺書を書き、酒を酌み交わしながら一夜を過ごしました。しかし消灯後は、枕に顔を押し当て、すすり泣く声が絶えなかったそ うです。