昨日、中国ハンセン病回復者の方が書かれた短編集『天使在人間(てんしざいじんかん)』の翻訳出版記念会が泉岳寺の教会で開かれました。
訳者である鄧晶音(とう・あきね)さんは、在日3世の中国人として、日本と中国というふたつの故郷を結ぶことに情熱を傾けています。本という存在が、その 人の存在理由を具現化する手段となり得たとき、本はその意義を発揮できるんじゃないかと思います。この先、この本の朗読会の企画もあるようで、今から楽し みです。
中国NPO「JIA」代表の原田燎太郎さんは、中国ハンセン病隔離村の環境改善支援に全身全霊を注ぐ熱い漢。まるで金太郎飴みたいにどこを切っても変わる ことがありません(なので、「燎太郎飴」と呼び換えてもいいのではないかと)。常に自分の使命に従って活動し続けている姿にはいつも励まされます。(登壇 する前に10分だけ寝ると言って、タイマーで計って床に寝転がり、ぴったり10分間眠り込んだ彼の姿には、なんかちょっと憧れました^^)
それから私も少しお時間をいただき、本書を引き受けるまでの経緯や制作秘話などについてお話しさせていただきました。
普段ほとんど話す機会がないのが、デザインや制作の話。このデザインにはどのような意味や思いが込められているのかとか、どうしてこの色や手触りの紙に決 めたのかとか、そんなちょっとした「こだわり」を半ば我が物顔(笑)で解説しましたが、デザインしたのは私ではなくてデザイナーの飯野明美さん。彼女も私 と同様ずっと原田燎太郎さんを応援している同志です。
写真右手後ろに見える「愛」と書かれた書は、著者である林志明さんが去年この場所でしたためたものです。今回、来日はできませんでしたが、ずっと見守られていたように感じました。
いろいろなご縁や思いが織り重なっての、あたたかな出版記念会でした。